オウンドメディアとは、企業が独自に運営する情報発信メディアのことです。単なる企業ブログとは異なり、専門分野やサービスに特化した質の高いコンテンツを継続的に配信し、見込み顧客との接点を作りながら信頼関係を構築していくマーケティング手法です。弊社では、BtoB中小企業のオウンドメディア立ち上げから運用支援まで、戦略的なサポートを行っております。

オウンドメディアの役割
オウンドメディアは、企業のマーケティング活動において重要な役割を担っています。主な目的は、認知拡大、リード獲得、ブランディング強化などで、採用活動の強化にも効果を発揮します。
認知拡大(潜在顧客との接点)
広告費をかけなくても、検索エンジンやSNS経由で潜在顧客と接点を持つことができます。ユーザーが抱えている課題や疑問に対して価値ある情報を提供すれば、自然な流れで自社のことを知ってもらえます。限られたマーケティング予算で効果を出したいBtoB中小企業にとって、オウンドメディアは非常に有効な手段といえます。
リード獲得(質の高い見込み顧客)
オウンドメディアを通じて情報を得たユーザーは、すでに御社の専門性や考え方を理解した状態でお問い合わせしてくれます。そのため初回の商談から話がスムーズに進みやすく、成約率も高い傾向があります。ホワイトペーパーや資料ダウンロードと組み合わせれば、さらに効果的なリード獲得が可能となります。
ブランディング強化(専門性の証明)
質の高いコンテンツを継続的に発信していくことで、業界における専門家としてのポジションを確立できます。「この分野といえばこの会社」と認識してもらえれば、それが競合との大きな差別化になります。技術力や実績だけでなく、考え方や価値観まで伝えることで、共感してくれる顧客との出会いが生まれるでしょう。
採用活動
オウンドメディアは採用活動にも効果を発揮します。企業文化や働く環境、専門性の高さを発信することで、求職者の理解を深められます。特にBtoB企業の場合、一般消費者には馴染みのない事業内容も、オウンドメディアを通じて分かりやすく伝えることができます。自社の価値観や考え方に共感した人材からの応募が増えることで、採用のミスマッチを減らすことにも繋がります。
オウンドメディアとインデックス型コンテンツの違い
コンテンツマーケティングには、大きく分けて「オウンドメディア」と「インデックス型コンテンツ」の二種類があります。
インデックス型コンテンツ(ソリューションサイト)
一つのテーマに絞って、網羅的にコンテンツを作り込む情報サイトのことです。更新を前提とせず、最初にコンテンツを作り切ってしまうのが特徴です。たとえば「WordPressでのサイト制作」や「Shopify構築ガイド」など、特定のテーマで検索上位を狙っていく戦略になります。ランディングページに近い考え方で、継続的な更新をそこまで考慮しなくてよいため、企画を立ててから完遂しやすく、オウンドメディアよりも取り組みやすい手法といえます。
オウンドメディア
自社が所有する情報発信メディアで、定期的に記事を更新していくスタイルです。一つのテーマに限定せず、自社のサービスや専門分野に関連する幅広いトピックを扱います。自社サイト内で運営する場合もあれば、別サイトとして立ち上げるケースもあります。質の高い記事を継続的に配信していく必要があるため、チーム体制やクオリティチェック、コンテンツ戦略など、立ち上げ前からしっかり計画を立てて取り組む必要があります。
オウンドメディアの展開方法
オウンドメディアをどこで展開するかは、今後の戦略を左右する重要なポイントです。
| 展開場所 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 自社サイト配下 | 月額コストが増えない。デザインも引き継げるので初期制作コストを抑えられる。既存ドメインで運用できるため、これまで積み上げてきたドメインの評価を活かせる。 | 目新しさには欠ける。運用が滞ると本体サイトの印象にも悪影響が出る可能性がある。 |
| 別ドメインで別サイト | 本体サイトの環境やデザインに縛られず自由にサイト構築できる。本体ドメインとは別の強化されたドメインを所有することができる。運用が滞った際に切り離しやすい。 | 新規立ち上げになるため初期制作コストがかかる。本体サイトとは別扱いになるので、ドメイン評価をゼロから育てる必要がある。 |
| 専門サービスを利用 | 制作コストがほとんどかからず、記事制作のみに集中できる。既存媒体内のユーザーにも見てもらえる。 | 仕様や見栄えなど、既存媒体の制約を受けて自由度が低い。ドメイン評価に繋がらない。将来的に自社サイトへ移行する際、検索順位を引き継げないことがある。 |
弊社では基本的には、自社サイト配下での展開をおすすめしています。既存のドメイン評価を活かせること、コストを抑えられること、サイト全体の一貫性を保てることがその理由です。
オウンドメディア立ち上げの流れ
オウンドメディアは、戦略なしに始めても成果には繋がりません。弊社では以下のステップで、計画的にオウンドメディアを立ち上げています。
1. 調査・分析フェーズ
競合調査・3C分析
競合他社のコンテンツ、検索キーワード、ターゲット顧客のニーズを調査します。どんな情報が求められているのか、競合はどんなコンテンツを提供しているのかを分析し、差別化できるポイントを見つけていきます。
ペルソナ設定
実際にコンテンツを読んでほしいターゲット像を具体化します。企業規模、業種、役職、抱えている課題などを明確にすることで、コンテンツの方向性が定まります。
検索キーワード調査
ターゲットが実際に検索しているキーワードを洗い出します。「取引型」「情報収集型」「案内型」に分類して、それぞれに適したコンテンツ戦略を立てます。
2. 戦略・設計フェーズ
コンテンツ戦略の策定
どんなテーマで記事を展開するか、更新頻度はどうするか、どんな目標を設定するかなど、全体の戦略を立てます。記事のカテゴリ分けや、優先的に作るべきコンテンツの整理も行います。
運用体制の構築
誰が記事を書くのか、誰がチェックするのか、どんな承認フローにするかなど、継続的に運用できる体制を整えます。社内リソースだけでは難しい場合、外部ライターの活用や弊社での執筆代行にも対応できます。
サイト設計・CMS構築
記事を管理しやすいCMS(主にWordPress)を構築します。カテゴリ設計、タグ設計、記事一覧の見せ方、関連記事の表示など、ユーザーが情報を見つけやすく、運用者が管理しやすい設計を心がけます。
3. 制作・開発フェーズ
デザイン制作
ブランドイメージに合わせたオウンドメディアのデザインを制作します。記事の読みやすさ、情報の探しやすさを重視しながら、普遍的なビジュアルで仕上げます。
初期コンテンツ制作
立ち上げ時に公開する記事を制作します。最初から大量のコンテンツは必要ありませんが、3〜5記事程度は公開しておくことで、訪問者に「ちゃんと更新されているメディア」という印象を与えられます。
CMS実装・動作確認
記事投稿フローの確認、プレビュー機能の確認、公開設定の確認など、運用者がスムーズに記事を投稿できる環境を整えます。
4. 運用フェーズ
継続的なコンテンツ制作
戦略に基づいて、定期的に記事を公開していきます。弊社では記事の執筆代行や編集サポートも行っております。
SNSとの連携
記事を公開したら、X(旧Twitter)などのSNSで発信します。関連分野に関心があるフォロワーを増やして記事を拡散することで、検索エンジン以外からの流入も確保できます。
効果測定・改善
アクセス解析を行い、どの記事が読まれているか、どのキーワードで流入しているか、お問い合わせに繋がっているかを分析します。そのデータをもとに、コンテンツ戦略を改善していきます。
オウンドメディアで成果を出すためのポイント
すぐに成果は出ないことを理解しておく
コンテンツマーケティングは、すぐには成果が出ません。特に始めたばかりの頃は、時間をかけて大作を作っても、ページビューは少なく成果も出なくてショックを受けることがあります。でもそれが普通なので、気にする必要はありません。半年から1年は種まきの期間と考えて、継続することが何より重要となります。
ビッグワードは避けて、絞ったテーマで勝負する
例えばWeb制作会社のオウンドメディアとして考えた場合「SEO」「マーケティング」といったビッグワードで上位表示を狙うのは非常に困難です。「SEO 中小企業」「マーケティング BtoB」のように、もう一つキーワードを掛け合わせて、ターゲットを絞った記事を作る方が効果的です。ニッチでも構いません。読んでほしい人に向けた内容で、かつ自社のサービスや強みと連動しているコンテンツを提供していきましょう。
質と量の両方を意識する
記事の質はもちろん重要ですが、量も無視できません。月に1記事よりも、週に1記事のペースで継続的に発信する方が、検索エンジンからの評価も高まりますし、読者との接点も増えます。最初から完璧を目指さず、まずは継続できるペースで運用を始めることをおすすめします。
SNSを積極的に活用する
オウンドメディアを更新したら、必ずSNSで発信しましょう。X(旧Twitter)が最も効果的で、関連分野に関心があるフォロワーを増やしておくことで、記事公開時に一定数の流入が見込めます。うまく拡散されれば、数万単位のアクセスが得られることもあります。
CMSを活用した運用しやすいサイト構築
弊社ではWordPressを用いたオウンドメディア構築を得意としています。記事の下書き、プレビュー、公開予約、カテゴリ管理など、運用に必要な機能をきちんと備えたCMSを構築することで、社内で継続的に更新しやすい環境を提供します。また記事のテンプレート設計や、アイキャッチ画像の作成ルール、見出しの使い方など、誰が書いても一定の品質を保てる仕組み作りもサポートいたします。
制作費用について
オウンドメディアの制作費用は、サイトの規模、初期コンテンツの本数、運用サポートの範囲によって変動します。一般的には以下のような費用感になります。
| 自社サイト配下での構築 | 100〜150万円 | 既存サイトのデザインを活かして、オウンドメディアセクションを追加する場合 |
|---|---|---|
| 別サイトとして新規構築 | 150〜250万円 | 独立したオウンドメディアサイトを一から構築する場合 |
| 運用サポート(記事執筆代行) | 5〜20万円(月額) | 記事制作代行、サムネイル制作、アップロード作業、SEO調整作業など |
サイトの目的とご予算感をお伝えいただければ、最適なプランをご提案いたしますので、お気軽にお問い合わせください。
保守・運用サポートについて
オウンドメディアは立ち上げて終わりではなく、継続的な運用が成果を左右します。弊社では記事の執筆代行や編集サポート、コンテンツ戦略の見直しや改善提案、アクセス解析レポート作成、WordPress保守やセキュリティ対策、サイト更新代行などの運用サポートを提供しております。運用体制に不安がある場合でも、柔軟にサポートいたしますのでご相談ください。
よくある質問
- 自社サイトのブログとオウンドメディアはどう違うのですか?
広い意味ではブログもオウンドメディアの一種ですが、オウンドメディアはより戦略的に、サービスや専門分野に特化したコンテンツを継続的に発信するものです。会社のお知らせや日常的な情報を発信するブログとは、目的も運用方法も異なります。 - 記事は誰が書くのですか?
基本的には、サービスに精通した社内の担当者に書いていただくのが理想です。ただしリソースが限られている場合は、弊社でヒアリングさせていただいた内容をもとに記事を執筆し、チェックしていただく形式も可能です。執筆代行のみのご依頼も承っております。 - どのくらいの期間で成果が出ますか?
オウンドメディアは中長期的な施策です。早くても半年、通常は1年程度で効果が見え始めることが多いです。質の高いコンテンツを継続的に発信し続けることが、成果を出すための鍵になります。 - 更新頻度はどのくらいが適切ですか?
理想は週2〜3回程度の更新ですが、無理なく継続できるペースを優先すべきです。月2回でも、継続することで着実に成果は積み上がります。更新が止まってしまうことが最も避けるべき事態です。 - SNS運用もサポートしてもらえますか?
はい、X(旧Twitter)などのSNS運用についても、戦略策定や投稿内容のアドバイスを行っております。オウンドメディアとSNSを連携させることで、より効果的なマーケティングが可能になります。 - 既存のブログをオウンドメディアとしてリニューアルできますか?
はい、可能です。既存のコンテンツを整理して、カテゴリ設計を見直し、戦略的なオウンドメディアへとリニューアルすることで、より成果に繋がるメディアに生まれ変わります。
お問い合わせ
オウンドメディアの立ち上げや運用をご検討でしたら、ぜひ一度お気軽にご相談ください。まずはオンラインで、貴社の状況やお悩みについてお聞かせいただき、オウンドメディアの方向性や概算費用についてお話しさせていただきます。制作会社を比較検討されている段階でも、情報収集としてお気軽にお問い合わせいただければと思います。





