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更新日:2025年5月16日
Webサイトからのお問い合わせを増やすためには、体系的なアプローチが必要です。大きく分類すると「アクセスを増やす施策」と「競合から選ばれるための施策」が最重要項目となり、補完的な施策が「お問い合わせしやすい環境整備」になります。
アクセスは多くてもコンテンツが弱い、コンテンツが充実していても見てくれる人が少ない、という状態ではお問い合わせに繋がりません。流入もコンテンツも両方が重要です。見てもらう人を増やしつつ、競合から選ばれるための施策(自社のサービス強化、分かりやすい説明と説得力)を行なっていく必要があります。
なお、この記事ではBtoB企業を対象としたオンラインでの施策を中心としています。
- 流入を増やす施策
- リスティング広告
- コンテンツマーケティング
- SNS運用
- SEO対策
- メールマガジン
- ランディングページ
- 競合他社の中から選ばれるために
- サービスの品質と種類
- サービスの見せ方
- 自社紹介と事例紹介
- 資料提供(PDF・ホワイトペーパー)
- 問い合わせしやすいUX設計
- フォームの最適化
- コンバージョン導線の改善
- 成功のためのマーケティングフロー
流入を増やす施策
アクセスの増やし方はリスティング広告、SEO、コンテンツマーケティング、SNSなど様々あり、すぐに効果があるものや中長期的に実施していくものがあります。それぞれの特性を理解して、最適な組み合わせを選びましょう。
リスティング広告
流入を増やす施策で、最もメジャーなものはリスティング広告です。設定を適切に行えば、すぐに効果が出る手法といえます。
メリット
- 狙ったユーザーに見てもらえる
- 投資の分だけユーザーに訪れてもらえる
- 即効性がある
デメリット
- 毎月費用がかかる
- 広告を停止するとその効果も止まる(積み重ねた分の効果が続くものではない)
リスティング広告は即時的な効果を期待する時に使うか、投資を続けることを前提に利用すると良いでしょう。ただし、単にお金を出せば効果が出るわけではなく、ターゲットと文言を吟味してブラッシュアップし続ける必要があります。一件あたりの売上や利益と、一件成立するまでにかかる広告費を計算して、最適な広告運用を行いましょう。
コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングは、価値のあるコンテンツを提供することで顧客を惹きつけて、商品の購入やサービスの契約に繋げるマーケティング手法です。大きく分けて「インデックス型コンテンツ」と「オウンドメディア」の二種類があります。
インデックス型コンテンツは、一つのテーマで記事を網羅的に作る情報サイトです。更新をせずに最初にコンテンツを作り切ってしまうことと、一つのテーマに絞るのが特徴です。例えばWeb制作会社であれば「WordPressでサイト制作」というテーマでコンテンツを作るイメージです。
オウンドメディアは、自社が所有する情報発信メディアです。質の高い記事を定期的に配信していく必要があるため、チーム体制、クオリティチェックなど、立ち上げ前から戦略的に取り組む必要があります。
コンテンツマーケティングの効果的な展開方法
- ターゲットを明確にする:誰に読んでもらいたいのかを明確にする
- 競合分析:同業他社のコンテンツを分析し、差別化ポイントを見つける
- コンテンツ戦略:どのようなテーマで記事を展開するか計画を立てる
- コンテンツ制作:質の高いコンテンツを作成する
- 配信と拡散:SEOだけでなく、SNSなどを活用して拡散する
- 効果測定と改善:アクセス解析を行い、コンテンツを改善していく
コンテンツマーケティングはすぐに成果が出ない場合が多いですが、長期的には大きな効果を発揮します。まずは、ビッグワード単体での勝負ではなく、ニッチでもターゲットに役立つコンテンツから始めるのがおすすめです。
SNS運用
SNS運用はサービスの種類やターゲットに合わせてSNSの種類を選ぶことが重要です。
- BtoC向け:Instagram、Xが有効
- BtoB向け:X
- ターゲットが30代40代以降の場合:Facebookも有効
SNSアカウントの運営方法としては、サービス専用アカウント、会社アカウント、担当スタッフの個人アカウントといったパターンがあります。会社アカウントはフォローされづらい傾向があるため、個人アカウントを活用する方法が効果的です。担当スタッフのアカウントで同業のサービスや技術的な話などを発信してフォロワーを増やし、自社サービスの紹介を適度に行う運営方法が一般的です。
フォロワー数を単純に増やすことよりも、関連分野に関心のあるフォロワーを増やすことが重要です。質の高いコンテンツを投稿し、フォロワーとコミュニケーションを取りながらアカウントを育てていきましょう。
SEO対策
SEOは検索エンジンからの自然流入を増やすための重要な施策ですが、昨今では単なる「SEO対策」だけでは効果が限定的であることが認識されています。
内部SEO対策(サイト構造、メタタグ、コンテンツの質など)は必須ですが、それだけでは上位表示を実現するのは難しくなっています。ドメインの強さ、被リンク、競合の状況など、すぐには対策できない要素も大きく影響します。
SEOで効果を上げるためのポイント
- ユーザーのためになる質の高いコンテンツ提供
- 関連キーワードを適切に配置
- サイト構造の最適化
- モバイルフレンドリー対応
- ページ読み込み速度の改善
- 外部からの良質なリンク獲得
SEO単体での効果を期待するのではなく、コンテンツマーケティングやSNS運用などと組み合わせた総合的なアプローチが重要です。
メールマガジン
既存顧客や見込み客に対して定期的に情報を届けるメールマガジンは、リードの育成や既存顧客とのリレーション強化に効果的です。
メールマガジンで効果を上げるポイント
- 価値ある情報の提供:単なる宣伝ではなく、読者にとって有益な情報を提供する
- パーソナライズ:読者の興味や行動に合わせた内容を提供する
- 適切な配信頻度:頻度が高すぎると解除されるリスクがある
- 効果測定:開封率やクリック率を分析し、継続的に改善する
メールマガジンは既存のリード育成に効果的ですが、新規リードの獲得には他の施策と組み合わせる必要があります。
ランディングページ
ランディングページ(LP)は特定のターゲットに向けて最適化された、成約率を高めるための専用ページです。LPの成果を上げるには「LPに訪れてもらう施策」と「サービスの魅力をユーザーに伝える構成」と「類似サービスと比較した時の優位性」の全てが必要です。
効果的なランディングページの要素
- 明確なターゲット設定
- 分かりやすい価値提案
- 信頼性を高める要素(実績、お客様の声など)
- 行動を促す明確なCTA(Call To Action)
- 不安や疑問を解消する情報提供
ランディングページは作っただけでは効果が出ません。リスティング広告やSNS、メールマガジンなどを活用して、ターゲットユーザーを誘導する施策が必要です。
競合他社の中から選ばれるために
コンテンツマーケティングなどの手段で、お客様になりうる方に自社のことを知ってもらえても、この段階ではお問い合わせや契約にはすぐに繋がりません。複数社の候補や既存取引先があるからです。ここで強みになるのがサービスの種類と質、そして、それがWebサイトで分かりやすく伝わるかどうかです。
サービスの品質と種類
当然ながら、サービス自体の品質が高いことが重要です。同時に、サービスのラインナップが顧客のニーズに合致しているかも重要なポイントです。
- 専門性の明確化:「東京のWeb制作会社」よりも「Shopifyを用いたECサイト制作が得意な会社」のように専門分野を明確にする
- 独自の強み:競合との差別化ポイントを明確にする
- サービスの幅と深さ:顧客のニーズに応じたサービスラインナップを提供する
サービスの見せ方
自社の強みをどのように伝えるかも重要です。全ページ見てもらわなくても伝わる設計が必要です。
- 明確な価値提案:顧客が得られるメリットを分かりやすく伝える
- 視覚的な表現:図表やイメージを使って複雑な情報を分かりやすく表現する
- 具体的な事例:抽象的な説明よりも、具体的な事例を示す
- 比較表:競合との違いを明確に示す比較表の活用
自社紹介と事例紹介
会社の信頼性を高めるには、自社の実績や強みを適切に伝えることが重要です。
- 会社の沿革:歴史や実績を通じて信頼性を示す
- チームメンバーの紹介:実際に仕事を担当する人の顔が見えることで安心感を与える
- 詳細な事例紹介:課題、解決策、結果を具体的に示す
- クライアントの声:実際のクライアントからの評価を掲載する
特に事例紹介は非常に重要です。「このような課題があり、こう解決しました」という具体的なストーリーは、潜在顧客の信頼獲得に大きく貢献します。
資料提供(PDF・ホワイトペーパー)
制作実績や導入事例、またノウハウがつまったホワイトペーパーは、対象者にとって非常に価値のあるコンテンツです。
- 無料資料と有料資料(メールアドレス収集型)の使い分け
- 専門性を示す内容:業界の課題や最新トレンドを解説
- 実践的なノウハウ:すぐに活用できる情報を提供
- 視覚的にわかりやすい資料:図表やデザインに配慮する
ホワイトペーパーなどの資料は、メールアドレスなど個人情報を入力しないとダウンロードできない形式が多く、リード獲得に有効です。ただし、情報入力のハードルで離脱するユーザーもいるため、誰でも見られる基本資料と個人情報収集型の詳細資料を使い分けるのが効果的です。
問い合わせしやすいUX設計
お問い合わせしようと思った方が、実際にアクションを起こせるようにするためのUX(ユーザー体験)設計も重要です。
フォームの最適化
お問い合わせフォームの項目次第で、お問い合わせの数と質が変動します。
- 必要最小限の項目設定:不必要な項目は削除する
- 段階的な情報収集:最初は簡単な項目だけにし、後から詳細情報を収集する
- 入力しやすいUI:スマートフォンでも入力しやすいデザイン
- エラー表示の工夫:入力ミスがあった場合に分かりやすくフィードバック
- SSL通信の導入:セキュリティへの配慮を示す
お問い合わせの数を増やしたい場合は項目を少なくシンプルにし、質を重視する場合は項目を増やして詳細情報を収集するフォームにするなど、目的に応じた設計が大切です。
コンバージョン導線の改善
サイト訪問者がスムーズにお問い合わせページにたどり着けるよう、適切な導線設計が必要です。
- 複数箇所にCTAボタンを設置:サイト内の適切な場所に「お問い合わせ」ボタンを配置
- スクロールに合わせたフローティングボタン:常に視界に入るよう工夫
- 各ページの最後にアクションを促す:「詳しく知りたい方はこちら」などの誘導
- ページ離脱時のポップアップ:離脱しようとしているユーザーに最後のアプローチ
- チャットボットの活用:気軽に質問できる環境の提供
各ページからお問い合わせページへのアクセスが1クリックで完了するよう設計すると、コンバージョン率が向上します。
成功のためのマーケティングフロー
BtoB中小企業が行うマーケティングの流れは大きく分けると「分析・認知・検討・商談」に分類できます。
分析フェーズ
自社の提供できるサービスや特徴、ターゲット市場の規模と特性を分析します。3C分析(顧客・競合・自社)などのフレームワークを用いて「誰に何を伝えたいか」を明確にしましょう。
認知フェーズ
契約をゴールとすると、お客様に知ってもらうところがスタート地点です。リスティング広告、SEO、SNS、コンテンツマーケティングなどを組み合わせて認知を広げます。最も強力な認知経路は「紹介」ですが、これは属人的であり不安定なので、Webマーケティングによる安定した流入経路の構築も重要です。
検討フェーズ
お客様が自社を知った後、複数の選択肢の中から選ぶ段階です。ここでは自社の強みや実績をしっかりと伝え、信頼性を高めることが重要です。見込み客育成(リードナーチャリング)の取り組みも効果的です。メールマガジンやリターゲティング広告などを活用して、継続的に接点を持ち、理解を深めてもらいましょう。
商談フェーズ
お問い合わせから商談、契約に至るプロセスです。現代ではオンラインでのコミュニケーションも増えていますので、メールやビデオ通話でも信頼を構築できるスキルが重要です。お問い合わせへの対応速度や丁寧さ、提案の質などが成約率に大きく影響します。LTV(顧客生涯価値)を意識し、単発の案件ではなく長期的な取引先としての関係構築を目指しましょう。
まとめ
Webサイトからのお問い合わせを増やすには、「流入を増やす施策」「競合から選ばれるための施策」「お問い合わせしやすい環境整備」の3つがバランスよく機能することが重要です。
短期的な効果を求めるならリスティング広告や既存顧客へのアプローチ、中長期的な成果を目指すならコンテンツマーケティングやSEO対策といったように、目的と期間に応じた施策の組み合わせが効果的です。
会社のことを知ってもらうこと、お問い合わせをしてもらうこと、契約に結びつけることは、それぞれ別の施策が必要で、求められる技量も異なります。現状分析をしっかり行い、どこを強化する必要があるかを見極めて、戦略的にマーケティングに取り組みましょう。
弊社では流入まで設計したランディングページ制作、コンテンツマーケティング支援、またその土台となるサイト構築を合わせて行えますので、お気軽にご相談ください。