Webサイトのコンテンツ設計は、Web制作の中で戦略と同じくらいとても重要なパートです。コンテンツ自体の良し悪しがWebサイトの成果に直結するため、特にBtoB企業のWebサイトでは見栄えよりも重要になるケースが大半だと思います。では、実際にWebサイトを制作する時に、コンテンツはどうやって作っていくとよいでしょうか。業種によって変わってくるとは思いますが、顧客ニーズと自社の強みをベースにすることが大事だと考えています。ここでは、Web制作会社を例にとって説明していきたいと思います。

コンテンツ制作の流れ

  • 競合調査&自社の特徴整理
  • ペルソナ作成
  • コンテンツ設計&ライティング
  • サイトマップ&ワイヤーフレーム制作

競合調査&自社の特徴整理

基本的には、Webサイトはユーザーのためにあるものなので、サイトを見てくれるユーザーを基準に考えるべきです。ターゲットユーザーは何を求めてサイトに訪れるのか。何を知りたいのか。また、そのターゲットがどのようにしてWebサイトに訪れてくるのか。そして、自社の強みは何で、どういったことをお客様に伝えていきたいのか。このような内容を掘り下げるために3C分析を行うなどして「顧客ニーズ・競合の状況・自社の特徴」を整理しておきましょう。

調査段階で競合サイトの分析も行います。BtoBサイトのワイヤーフレームなどが公開されているくらいですので、フレームワーク自体は真似てもよいと私は思っています。そのコンテンツの中身で、他社との区別化を図ることが効率よい手法だと考えます。Web制作会社の例で言えば、競合サイトを調査していけば「トップページ、自社の特徴、サービス、制作実績、お問い合わせ」という構成が一般的だと分かります。

自社の強みを見つける・見つからなければ定義する

競合調査と同時に進める工程が自社の特徴整理です。自社の強みは何か。同業他社とどう違うのか。それをどうやってお客様に伝えるのか。

ただ、他社と異なる明確な強みはパッと分かる会社ばかりではないかと思います。弊社もそうでしたが「自社の強みって特にないのでは?」と思うかもしれません。それでも、どこか一つ強みを探して磨いていかないと、Webサイトでマーケティングを行うことが難しくなります。ですので、何か一つ見つけるか、伸ばすべき武器を定義します。自分では分からない場合は取引先に自社のことを聞いてみるのも良さそうです。

ペルソナ作成

競合調査と自社の整理ができましたら、実際にWebサイトを見てもらいたいユーザーのことを考えます。企業規模や業種、地域など、どのような企業に見てもらいたいか。また、その企業の誰に見てもらいたいか。誰が見に来てくれそうなのか。ここでペルソナを立ててユーザーを具体化します。そして、そのペルソナは何を求めているのか、どのような情報を必要としているのか、どのようなキーワードで探そうとしているかを予測します。

目的課題/取り組みクエリ
自社サイトでお問い合わせを増やしたいコンテンツを増やそうリニューアル コンテンツ制作」で検索
新しいサービスを開始するランディングページ(LP)が必要「LP制作 実績」「LP制作 デザイン」で検索
オウンドメディアを立ち上げたい運用や構築のノウハウが必要「オウンドメディア 運用代行」「オウンドメディア 作り方」で検索

実際に検索している数や類似ワードなども調査して洗い出し、そこから抽出したキーワードを軸にコンテンツ設計を検討していきます。仮にLPに特化したサービスを特徴としていく方針にした場合「LP制作の流れ」「成果が出るLPの特徴」「LPの制作費用」「コンバージョン率を意識したLPの作り方」といったコンテンツ展開が考えられます。

「取引型」「情報収集型」「案内型」に分けられるクエリ

ユーザーが検索する時には主に三つのタイプ「取引型」「情報収集型」「案内型」に分けられると言われています。何かを購入したいといった何らかの目的があって検索する「取引型」、何かを知りたい・調べたい時に検索する「情報収集型」、このサイトにいきたいといった明確な意図があるときに検索する「案内型」があります。

取引型何かを購入したいなど意図が明確なクエリ「iPhone 購入」「Skype ダウンロード」
情報収集型情報収集のためのクエリ「Web制作会社 東京」「コンバージョンとは」
案内型探しているものが明確なクエリ「Amazon」「SONY」

特にBtoCサイトでは訪れてきているユーザーがどのタイプなのかで、目的や温度感が異なりますので、アプローチも変わってくると思います。そのため、ECサイトなどの場合は「取引型」「情報収集型」で受け皿となるコンテンツを分けて考えていく必要があります。

コンテンツ設計&ライティング

ユーザーと関連キーワードを整理できましたら、コンテンツ設計に取り掛かります。Webサイトとしての構成は置いておいて、載せるべきコンテンツをリスト化していき、項目ごとにライティングしていきます。ここでは、Webサイトとしての構成は気にせず、ライティングのみ行います。文法は後から編集するとして、伝えるべき内容をざっと書いていく流れだと効率的です。予測したキーワードは編集段階で調整しましょう。キーワードを意識しながら書くと本来伝えたい内容がブレてしまうことがあるためです。

誰がライティングするのか

流れとしては上記の通りですが、実際には誰が原稿を書くのかという課題があります。基本的には、サービスに精通した社内の担当者に書いてもらうことがもっとも適しています。構成を提案して原稿を下書きしていただき、再度こちらで編集して制作していくという流れが一例です。または、ヒアリングやインタビューを行い、コンテンツ制作会社側で原稿を書いてチェックしてもらう、という方法もあります。コンテンツ量やスケジュールなどと合わせて最善策で制作していきましょう。

サイトマップ&ワイヤーフレーム制作

大方原稿の下書きができましたら、それを分類してサイトマップとワイヤーフレームを作りましょう。ワイヤーフレームに原稿を当てはめてから、文法や見出し、キーワードを意識しながら編集していきます。慣れていくと、コンテンツ設計とサイトマップを同時に作って原稿を書いていく流れも良いと思います。ここでコンテンツ制作フェーズが終わり、次にデザイン作業という流れになります。

原稿が揃う前にデザインやHTMLコーディングを行なってしまうと、最終的な原稿の量や分類によって、デザインやHTMLコーディングをし直す手間が発生することがあります。ですので、できる限りデザイン作業前に原稿の骨組みは完成するようにしておきましょう。また、原稿が少ない・不揃いな状態だと、デザイナーもデザインしづらいため、戦略 > コンテンツ設計 > デザイン実装 という流れは守った方がよいと思います。

まとめ

コンテンツ制作はとても手間がかかりますので、リニューアルで一度に多くのコンテンツを作ることはとても難しく時間もかかります。逆に言えば、すぐに真似できる作業ではないので、計画的にコンテンツ制作を行なっていけば、同業他社と区別化を図ることができ、自社の特徴や強みを最大限アピールしていけると思います。

お問い合わせ

弊社ではコンテンツ制作やコンテンツマーケティング、またその土台となるサイト構築を合わせて行えますので、お気軽にご相談くださいませ。